- NFTアートではドット絵イラストが多い
- NFTブームの先駆けであるCryptoPunksもドット絵
- PC・スマホどちらでもドット絵NFTは作成可能
2021年から2022年にかけて急速にNFTが普及しました。ブームの先駆けとなったCryptoPunksがドット絵であることを踏まえて、現在でも多くのNFTアート作品がドット絵で作成されています。ドット絵は初心者でも作成しやすく、参入しやすいため初めての作品としておすすめです。
本記事では、
- ドット絵のNFTアートが流行する理由
- PC・スマホでドット絵アートを作成するアプリ一覧
- 人気なドット絵NFTプロジェクト
など、ドット絵NFTアートの作り方についてまとめています。詳細をご覧ください。
筆者は2017年から暗号資産(仮想通貨)投資を行っており、NFTアートの取引で120ETHの利益を生み出した経験があります。OpenseaやLooksrareをはじめとした複数のNFTマーケットプレイスの利用経験、実際のNFT購入によってNFTアイコンを設定した実体験をもとに本記事を執筆しています。 コンテンツ制作・エディトリアルポリシー
NFTアートでドット絵が流行する理由
ドット絵のNFTアートが多く流行している理由は、NFTブームの先駆者となった「CryptoPunks」というNFTプロジェクトの影響を強く受けているからです。CryptoPunksは24×24ピクセルの画像で、1万枚限定で発売されました。
CryptoPunksがドット絵であるのは「フルオンチェーン」というアート画像そのものをブロックチェーン上に書き込む技術を使用したNFTだからです。
現在CryptoPunksを模倣したドット絵プロジェクトが多く登場していますが、ほとんどのプロジェクトは画像データの保存方式にIPFSを利用しています。(この時、ブロックチェーン上にはどの画像データを参照するかという情報が記録されます)
IPFSはデータがすべてのサーバー上で共有されているわけではないため、画像データが消失する可能性があります。もしくは参照先の画像データが別の画像に差し代わる可能性も十分にあるということです
一方で、フルオンチェーンNFTでは画像データをチェーン上に記録し、すべてのサーバー上でデータを同期しているため、恒久的に存続し続ける絶対的なデータとして記録されるのです。恒久的にチェーンに直接記録された改ざんできないデータであるという特徴が、「まさにNFT」と認められ、価値が高くなっています。

全てのNFTプロジェクトをフルオンチェーンにすれば良いのかという疑問が生まれるかもしれませんが、そういうわけにもいきません。イラストや3Dデータなどは、データ量の関係でブロックチェーンに記録できないことが多いからです。
現状NFTで最も利用されるイーサリアムのチェーンでも一度に書き込めるサイズ上限は約46.8Kと極めて小さくなっています。これでは高画質な画像ファイルを書き込むことはできないため、外部のファイルサーバーにデータを保存し、それをブロックチェーンから参照する形をとっているプロジェクトが多いわけです。
そんな中、データ量が少ないドット絵でチェーンへ記録することを優先したのが「CryptoPunks」です。データの制限やコストなどさまざまな制約がある中、わざわざオンチェーン上に記録し、フルオンチェーン化によってNFT作品が世界に残り続けるという「ロマン」が価格へも大きく影響していると言えます。
PCでドット絵NFTアートを作れるアプリ
ドット絵メーカー3

ミニドット絵メーカー3は、GIFも作成できる感覚的に使えるドット絵メーカーです。無料で使い方がかんたんなため、初心者が気軽に試せるツールとしておすすめです。
メリット | デメリット |
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無料 GIF作成可能 感覚的に使いやすい | 色パレットが使いづらい |
Pixnote

Pixnoteは、カジュアルからフォーマルまで幅広く使えるツールです。絵を描くようにマウスを動かしてドット絵を作ることができるので、初心者でも簡単に使うことができます。機能も少ないので、かんたんなドット絵を短時間で作成したい方におすすめです。
メリット | デメリット |
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無料 スマートフォン対応 | 色の種類が少ない (12色) |
PIXILART

PIXILARTは、豊富な機能を持つドット絵メーカーです。絵を描くだけでなく文字やスタンプを挿入できるので、他の人とは一味違ったドット絵が作れます。ただし、日本語には対応しておらず英語版のみのサービス提供となります。
メリット | デメリット |
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無料 テキストやスタンプ挿入など充実の機能 GIF対応 | 日本語未対応 |
Piskel

動くドット絵NFTアートを無料で作成できるアプリです。日本語には対応していませんが、動くNFTアートで注目を集めることができるかもしれません。動くNFTアートに興味がある方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
メリット | デメリット |
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無料 ドット絵を動かせる | UIが分かりにくい |
Pixel Art Maker

Pixelartmakerの機能は必要最低限ですが、大きなキャンパスに絵を描くような感覚でかんたんに使うことができます。そのため、初心者から上級者まで使いやすいツールとなっています。ただし、日本語には対応していません。
メリット | デメリット |
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無料 操作がシンプル 画像のアップロードも可能 | 日本語未対応 |
Aseprite

AsepriteはSteamで販売されている有料のピクセルアートエディタです。多くのユーザーから高く評価されています。公式の日本語サポートはないものの、本格的にドット絵制作に取り組む人にとっては、ドット絵ツールの決定版といえるでしょう。
メリット | デメリット |
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わかりやすいUI 使いやすいアニメーション機能 | 有料 日本語未対応 |
dinopixel

Dinopixelは、アプリを開くとすぐにキャンパスが表示されるシンプルなツールです。他の人が作ったドットを取り込んで編集できるのが特徴。
かなり高度なアートも見られるので、その作り方を学ぶのにも良いツールです。ただ、日本語には対応していないので、慣れるまでは少し大変かもしれません。
メリット | デメリット |
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無料 操作がシンプル 他人のドット絵をインポートできる | 日本語未対応 |
スマホ・タブレットでドット絵NFTアートを作れるアプリ
dotpict (ドットピクト)

dotpictは、初心者にオススメのドット絵アプリです。カーソル移動とボタン着色の操作で、着色部分を指で隠すことなく着色が進められます。用意された画像とカラーパレットで、初めてのドット絵でも簡単に取り組めます。
作業内容は自動的に保存されるので、不意にアプリを閉じてしまっても安心です。
メリット | デメリット |
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指やペンが邪魔しない 置いた色を一括で変えられる カラーパレットが豊富 | スマホ画面が小さいと不便な可能性 |
8bit Painter

8bit Painterは、機能を限定し覚えやすく使いやすさを重視したドット絵アプリです。このアプリでは、小さなドットを素早く簡単に作成することができます。
画像の取り込み機能を使えば、イラストからドットを作成することも可能です。ただし、このアプリではキャンバスサイズを24×24に設定できないため、CryptoPunksと同じ大きさのドットを描くことはできないので注意してください。
メリット | デメリット |
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無料 シンプルでかんたんな操作性 画像取り込み機能 | 24×24には非対応 |
Pixel Studio

Pixel Studioは、PCでもスマートフォンでも使える多機能で無料のドット絵エディターです。好きなスタイルでドット絵を作成することができます。
1,000円程度の有料版を購入すれば、Google Driveとの画像共有も可能です。また、画像サイズを最大4096×4096ピクセルまで指定できるのも大きな特徴です。
メリット | デメリット |
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最大4096×4096ピクセルまで指定可能 スマホでもPCでも利用可能 | 全ての機能を解放するには課金が必要 |
Pixelable

Pixelableは、直感的でストレスなくドットを描くことができるように設計されたアプリケーションです。5×5から256×256までのサイズ調整が可能で、思い通りのイメージでドットを作成できます。
レイヤー編集、カラー作成、バリアストゥールなど本格的な機能を搭載し、ピンチイン/アウトによる拡大/縮小など直感的な操作が可能。また、ペンや塗りつぶしなどの標準機能に加え、レイヤー機能やグラフィック機能など、多彩な機能を搭載しています。
さらに、ペンでも指でもドットを塗ることができるので、素早く簡単にドットを塗りたいときは、指を選択すると手際よく作業が進みます。
メリット | デメリット |
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指をつかった直感的な操作が可能 5×5から256×256までのサイズ調整が可能 | 色調補正をする際にも、カラーマップの明度変化に合わせて色相バーの明度まで変わってしまうため、薄い色を調整しづらい |
ドット絵エディタ (Dottable)

シンプルながら、レイヤー編集やカラー作成など、様々なツールに必要な基本機能はすべて備えています。アニメーションGIFの書き出しや、トレースした画像の取り込みが可能なため、幅広い表現が可能です。
操作はシンプルでわかりやすく、初心者に最適なアプリだといえます。
メリット | デメリット |
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GIF形式をサポート 無料で全機能利用できる | 保存できなかった際の復元機能がない |
ドット絵NFTアートの売り方・出品方法
ドット絵NFTアートの売り方・販売手順は以下の通りです。
- 国内仮想通貨取引所でイーサリアムを購入する
- イーサリアムをMetamaskに送金する
- Openseaに登録する
- 作成したドット絵アートをNFT化する
- NFT化したドット絵アートを出品する
仮想通貨を持っていない方は、まず国内の仮想通貨取引所でイーサリアムを購入してください。
既に仮想通貨取引所のアカウントを持っている方はそちらを利用して大丈夫ですが、まだアカウントを持っていない方はFTX Japanという仮想通貨取引所がおすすめです。出金手数料が無料なので、買ったイーサリアムのほとんどをMetamaskに出金できます。
国内仮想通貨取引所で購入したイーサリアムをMetamaskのウォレットアドレスに送金します。
Metamaskのウォレットを作成していない方は、Metamaskの拡張機能をインストールしてウォレットを作成してください。

Metamaskのウォレットアドレス宛に購入したイーサリアムを出金してください。FTX Japanを利用している場合は以下の記事を参考にしてください。
送金するイーサリアムはNFTを出品する際のガス代として使用します。0.3ETH程度送金しておけば十分です。
Openseaの公式ページを開き、Metamaskと接続します。

右上の人型のマークをクリック。

ウォレット接続画面に移るので、「Metamask」を選択してください。

Opensea右上の「作成」をクリックしてください。

Metamaskが起動し、署名の確認を求められます。「署名」をクリックしてください。

撮影した写真ファイルをアップロードします。

画面を下にスクロールし、「作成」をクリックしてください。

最後に「私はロボットではありません」にチェックを付けると写真のNFT化が完了します。

NFT化した写真を売る手段としては以下の4つの方法があります。
- 固定価格販売
- オークション形式
- ダッチオークション形式
- プライベート販売
販売したい形式を選択して販売を行いましょう。

参考になるドット絵NFTアート一覧
CryptoPunks

Zombie Zoo

Zombie Zoo Keeperの名前で活動している小学生NFTクリエイターがipadで作成したZombie Zooコレクション。著名人が購入したことを皮切りにニュースなどで取り上げられ、現在までに約4,000万円の売上をあげています。
アニメ化も決定しているなど、今後ますます勢いを増していくことが期待できるNFTコレクションです。
Kawaii Skull

KawaiiSKULLは、2021年7月、日本の「カワイイ」文化と世界的に有名なスカルモチーフの組み合わせに無限の可能性を感じ、プロジェクトが誕生しました。
海外の有名コレクターの間で人気を博し、他の海外バイヤーの間でもトレンドが巻き起こり、大きなムーブメントとなりました。完売後も二次流通が盛んで、日本を代表するNFT作品となっています。
Pixel Heroes X

Pixel Heroes Xは、2021年12月に発売された日本発のジェネレーティブアートプロジェクトです。前のプロジェクト「Pixel Heroes」の後継作ですが、総アイテム数が増え、より多くの人が所有できるようになりました。
2022年10月時点で、OpenSeaでの最低価格が0.01ETHと、非常にリーズナブルな価格設定になっており、初心者でも手が出しやすいといえます。
Murakami Flowers

Murakami Flowerは、村上隆氏による初のNFT作品です。可愛らしいドット絵の花のイラストで国内外のファンを魅了しました。総発行枚数については、仏教での煩悩の数「108」になぞらえて「背景108×花の種類108=11,664個」という構成になっています。
今後、NFT市場への参加を検討しているさまざまな現代アーティストに大きな影響を与えた作品だといえます。
Moonbirds

Moonbirds NFTは2022年4月に発行されたNFTコレクションで、フクロウをモチーフにしたイラストが描かれています。2.5ETHで発行されましたが、二次販売で一気に価格が上昇し、瞬く間に40ETHまで上昇しました。
また、Moonbirdsでは「ネスティング」というステーキング機能を実装しており、公式サイトでNFTをステーキングすることで様々な報酬を獲得することが可能です。
EightBit Me

EightBit Meはアメリカのチームメンバー6名が手掛ける8,888個のコレクションからなるNFTプロジェクトです。すべてのNFTは8ビットで作成されており、昔のゲームキャラクターのようなデザインになっています。
アバター以外にも、レアな洋服やアクセサリーなど、サプライズなアイテムが満載です。
ドット絵NFTアートを売るポイント
ドット絵NFTアートを作成してみたものの、思うように売れない場合には以下のような点について確認してみてください。
- ペルソナに合わせてチェーンを選択する
- Giveawayで認知度を高める
- NFTが1つでも売れたらアピールする
- トレンドに合わせたアートを作る
- コンセプトを決める
- 限定感を演出する
- 購入特典があると尚良い
より詳しいNFTアートを売るポイントについて知りたい方は「NFTアートが売れない人の大きな問題点 | 売れるためのポイント紹介」を参照してください。
